へたくそ渋滞
昔は「自然渋滞」と呼ばれていましたが、このごろは「交通集中による渋滞」と呼ばれるようです。
まあ、個人個人の意識としては、意図的に起こしているのではないとしても、全体として見れば、人為的に起きているのでしょうから、「自然」という表現は適さないということなのでしょう。それは正しいと思います。
ただ、交差点やインターチェンジで車が流入するところで渋滞するならともかく、高速道路でインターの中間を先頭に渋滞していることが、わりとあるんですよね。
雑誌で読んだところによると、原因は次の2つだそうです。
(1) ゆっくりと登り坂になるところで、それに気づかずにスローダウンしてしまう車がいる。
(2) トンネルに入ったところで、狭くて暗くなるので、スローダウンしてしまう車がいる。
特に長いトンネルでは、トンネル内に地下水や雨水がたまらないように、中央部を高くして両端を低く、山なりに作るので、上記の両方が合わさって渋滞の先頭になりやすいとか。典型的なのが、中央道の小仏トンネルだそうです。
テレビで実験しているのを見たのですが、行列で走っているときに先頭の車がスローダウンしてしまうと、次の車はさらにスローダウンし、その次の車はもっとスローダウンし……とつづいていって、何台目かにはついに停止してしまうことになるようです。
結局、運転のへたくそな車がスローダウンしてしまうことが、渋滞を引き起こしているのです。
「工事渋滞」というのもありますが、工事で車線規制されていても、交通量が少なければ渋滞にはなりません。交通量が多いという状況の中で、かつ、工事で車線が規制されているのをきっかけに渋滞するのですが、それを「交通集中による渋滞」とは言わず「工事渋滞」と言います。「事故渋滞」も同様です。
だとしたら、交通量が多いという状況の中で、かつ、運転がへたくそでスローダウンする車がいるのをきっかけに渋滞するのを、「交通集中による渋滞」と呼ぶのは、呼び方が統一されていません。
みんながきちっと定速を維持してさえいれば、渋滞にはならないはずのところで渋滞するのまで「交通集中による渋滞」と呼ぶのは間違いです。
私はそういうのを「へたくそ渋滞」と呼んでいます。
「交通集中による渋滞」というのは、交差点やインターチェンジで車の数が増えるところにだけ使うべきです。
「へたくそ渋滞」を起こしているドライバーの大半は、自分が渋滞を起こしているという自覚がないのでしょう。
日本人はどうも責任の所在を明らかにしないのが好きですが、だから当人が自覚しないし、事態が改善される方向に向かわないのです。
「へたくそ渋滞」のメッカである、中央道の小仏トンネル、東名高速の大和バス停、東北道の矢板インター付近などでは、「あなたがスローダウンしているから渋滞するんだ」という表示板を設置すべきだと思います。
それくらい技術的には可能だし、ナンバープレートを読み取って、車の所有者の名前を表示することさえ可能ではないかと思えます。
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