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女優 春口裕子

 いつもは海外SF&推理小説を読んでいる私にとっては、あまり読まないタイプの本です。
 なのに、この本を読んでみようと思ったのは、朝日新聞サイトのオフタイムというコーナーに、春口さんが書いている「もやしのひげ」というコラムがあって、これがなかなかおもしろく読めているからでした。

 ジャンルとしてはサスペンス小説らしく、ふだん読んでいるのとそんなにかけ離れた本でもありません。
 ただ、主人公のOLというのが、自分とは正反対。
 女と男というのもあるのだろうけど、ファッションやスタイルなどにあまり気を遣わない私とは、まるで別世界でした。
 もし化粧品会社の広報の仕事をすることになったら、自分ならとんでもない左遷だと嘆くだろうなぁ。

 おもしろくなってきたのは、半分くらいになって、ようやく事件が起きてから。
 私は気が短いので、50ページ位読んでも事件が起きない本は、たいくつしてくるのですが、これまでの唯一の例外はアガサ・クリスティーだけ。
 この本も例外にはなり得ませんでした。

 ただ、後半は展開が気になって、短期間で読み終えてしまいました。
 ラストの展開とエピローグの読後感も、まあ好感度は良かったと言えます。

 もう1冊小説が出ているようだけど、読んでみようかなぁ?

「女優」 春口裕子
幻冬舎文庫 680円

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