中央線の踏切がどう変わるか
JR中央線に乗ったら、土曜夕方から日曜朝にかけて、三鷹~国分寺間の高架化工事のために大幅な運休があることを、ポスターや放送でしつこいくらい念入りに告知していました。
いよいよ高架線になって、踏切がなくなるのか!、と思ったのですが、帰ってから調べてみると、今回高架線になるのは片方向だけで、踏切はまだ残るようです。
ところが、JR東日本のWebサイトを見ても、踏切がどうなるのかについては書いてないんですよね。
地元のJR八王子支社のサイトには、Q&Aのコーナーまで用意されているのですが、そこでも見事なくらい、踏切についてはまったく書かれていませんでした。
最初の2003年の高架線工事のとき、大きな社会問題になりましたが、日曜朝には終わるはずだった工事が延びて午後まで運休がつづいたことと、踏切の長さと遮断時間が延びて渡りにくくなったことがありました。
あえて言ってしまえば、運休が延びたのは予定外のアクシデントで、1日だけの障害でしたが、踏切の変化は、その後何年も沿線の住民に影響を与えつづけました。
一番の問題は、運休については事前に十分説明されていたのに、踏切については事前の説明がまったくなかったことでした。線路切り替え工事の当日は不便でも、それがすぎれば元の状態に戻るものと、みんな思っていたのです。
踏切の遮断時間が長くなることは、JRには事前にわかっていたはず。それを試算とかシミュレーションとかしなかったのか、あるいは、したのに結果を公表しなかったのか、それが混乱を招いた最大の要因です。
踏切の長さと遮断時間がどのくらい延びるかを、運休についてと同じくらい、事前にちゃんと周知していれば、あんなにテレビ局が踏切の中継に押し寄せることにはならなかったでしょう。
総理大臣が外遊中に、わざわざ外国での記者会見で、あの踏切はなんとかしなくてはいけないと発言するような事態になったのは、踏切の遮断時間が延びたこと自体というよりも、事前の告知が不足していたためです。
だって、開かずの踏切は前からあったのです。それがニュースや首相談話にならなかったのは、この時間帯のこの踏切はそういうものだよね、と沿線の住民はあきらめていて、あえて文句を言わなかったからにすぎません。
検索してみると、中央線と一部並行している西武鉄道の多摩川線が去年高架線になったときのニュースリリース(PDFファイル)が見つかりました。そこでは、踏切が3つなくなることや、中央線の踏切は短くなるが残ることが、ちゃんと説明されていました。
なんでJR東日本は、こういう沿線の住民への影響まで考えたニュースリリースを出せないかな?
JR東日本はたぶん、2003年の高架線工事のときの反省を生かし、運休が長引くようなことはもうないでしょう。
しかし、高架線工事によって踏切がどう変わるかについて、事前に住民に説明するということについては、まったく反省されていません。もしかすると、自分が何を反省すべきかが、いまだにわかっていないのかも。
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